2004/05/18/021952

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ひかりのまち

ひかりのまちを観た。ほとんど予備知識なしで観れてよかった。マイケル・ウィンターボトム監督。1999年パルム・ドール。

サントラがいい。良すぎるくらい。

許す映画。無理のない映画。

[ 以下ネタバレ等厳重注意! ]

調べたら音楽はマイケル・ナイマンだった。なるほど。

109分と、ちょい短めなのもあるのかもしれないが、一瞬で終わってしまったような印象。否定的な意味ではない。

群像劇を描くのは難しいのではないかと思っているのだが、うまく自然にまとまっていた。

イギリス自体行ったことがないので勝手なことは言えないが、ロンドンの雰囲気と生活している人々、特にワーキングクラスの人々の生活が恐らくかなりそのまま自然に描かれているのではないだろうか。そういうリアリティーがあるのはこの映画に限ったことではないが、俺が勝手に思っている「イギリス映画らしい」くどさがなかった。

この雰囲気は16ミリで撮影されたという点も大きいのかも。

元祖ビッグイシューの販売風景など、今まで観たイギリス映画や書物、ウェブなどから多少聞きかじる程度に得ていた現地の細かな情報を画面の各所に見ることができて妙なところで小さく感動。

異論もあろうし俺の勝手な主観だが、出てくる人達の着てる服がほんとにダサい。それが凄くイギリスらしくて非常にいい。(!失礼。)日本とは感覚が全然違うだろうけど、よく海外の人から見て(一部の)日本人がオシャレだって言われるのはこういうの見てもよくわかる。今日本で流行っている服とかのセンスがいいかとかそういう問題は別にして。

特に意味はないのだろうが、あるシーンにイレイザーヘッドのビデオが出てきた時には使われ方が妙にウケた。

赤ん坊の名前など、いろんなものとリンクしたWonderLandという原題なのだろうが、邦題の「ひかりのまち」というのも内容からしてなかなかいい。日本で「ワンダーランド」って言ってもニュアンスが違ってくるだろうし。

そういえば、演技についても書こうと思っていたけど、あまりに自然なので演技と見れなかった感じがする。登場人物がそのまま映画の中の生活者として違和感のないまま入り込んで観れたのは久しぶりかも。これは演出がすごいのかな。「お芝居」って感じがしない。

Ian Hartの多少演技らしい演技がすごくうまいんだけど逆に浮いているようなところさえあった。許容範囲ギリギリで。彼はほんとに「イギリス人!」(?言い方間違ってる?)って感じ。好きだなぁ。黒い革ジャン着てフットボール観戦してたり煙草吸いまくっているとこなんか最高。これぞ、って感じ。調べたらリヴァプール出身だ。アッハッハ。

撮影は基本的に自然光で16ミリを使い、35ミリにブローアップしているということだけど、人物やシーンによっては35ミリでそのまま撮って使い分けているのかと思うシーンがあった。前に他の映画でも感じたが、16ミリは巧く使うとほんとにいろんな表現が可能だと思う。一概には言えないが、下手をすると35ミリとかにはない映像の豊かさがあるんじゃないか。

スーッと入ってきてサラッと観れてしまって、似た映画も結構観ているような気がするからか今はあまり印象に残っていないが、ジワジワと染みてきて、結構長く印象に残る映画なんじゃないだろうか。